商標を取るための流れ
事業で使用しているブランド名、サービス名、商品名等のネーミングやロゴは、よほど著名なものでない限りはどのような人でも許可なく自由に使用できてしまいます。せっかく長い投資を経て信用が蓄積してきた商品名を勝手に使用されて類似商品を販売されてしまうかもしれません。
ご自身のブランド名やしっかりと商標登録をして守るようにしましょう。
では、「登録商標」を取得するにはどのようにしたらよいのでしょうか?ここでは、登録商標を取るための手続きについて解説します。
先行商標調査をしましょう
まずはご自身の使用している、又は将来使用する予定のブランド名(商標)について商標登録を受けられそうかどうか調査をしてみましょう。
調査は特許庁が公開しているJ-PlatPatというデータベースで調査を行うことが可能です。
調査の詳細なやり方についてはまた別の機会に記事を記載しますが、一番簡単なやり方は、まず商標(マーク)の称呼(類似検索)のプルダウンを選択し、そこに調査を行いたい商標の発音を記入ましょう。例えば、「ソニー」と記入します。
次に調査を行いたい商品又は役務(サービス)の区分を記入します。保護を受けたい商品や役務(サービス)は1類から45類の45の区分と呼ばれるカテゴリーに分けられており、商標登録をして守りたい商品や役務(サービス)の区分を記入してください。
例えば、おもちゃの区分である「28」を記入します。
なお、45の区分は、商標法施行令第2条において規定する別表に記載されていますが、簡単に主要なものだけ記載すると以下のようになります。
- 第1類:化学品
- 第2類:塗料、着色料
- 第3類:化粧品、石鹸シャンプーなどの洗浄剤
- 第4類:工業用油、燃料
- 第5類:薬剤、サプリメント
- 第6類:金属製品
- 第7類:加工機械、原動機
- 第8類:手動工具
- 第9類:機械器具、情報処理装置、携帯、スマホ、アプリ
- 第10類:医療用機械器具、医療用品
- 第11類:調理用、衛生用の装置
- 第12類:乗物
- 第13類:火器及び火工品
- 第14類:アクセサリー、宝飾品、時計
- 第15類:楽器
- 第16類:書籍、文房具、紙製品
- 第17類:材料及び材料用のプラスチック
- 第18類:かばん、革製品
- 第19類:建築材料
- 第20類:家具
- 第21類:家庭用品、台所用品
- 第22類:ロープ製品、帆布製品
- 第23類:織物用の糸
- 第24類:織物
- 第25類:洋服、靴、帽子
- 第26類:裁縫用品
- 第27類:床敷物、壁掛け
- 第28類:がん具、遊戯用具及び運動用具
- 第29類:動物性食品、加工済野菜
- 第30類:加工した植物性食品及び調味料
- 第31類:生きている動植物
- 第32類:アルコールを含有しない飲料及びビール
- 第33類:ビールを除くアルコール飲料
- 第34類:たばこ、喫煙用具
- 第35類:広告、コンサルティング、小売り卸売り
- 第36類:金融、保険及び不動産
- 第37類:建築、建設
- 第38類:電気通信
- 第39類:輸送、こん包及び保管
- 第40類:物品の加工
- 第41類:教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動
- 第42類:電子計算機又はソフトウェアの設計開発、調査研究
- 第43類:飲食物の提供、宿泊施設の提供
- 第44類:医療、動物の治療、衛生及び美容
- 第45類:その他の個人の需要に応じて提供する役務、警備及び法律事務
ここに記載のない商品・役務(サービス)についてもJ-PlatPatの商品役務名検索で区分を調べることができます。ので、適宜検索をしてみてください。
上の図が入力を行った画面ですが、ここで検索を行うと、28類のおもちゃの区分の商品について「ソニー」と類似する発音を持つ商標が検索できます。
調査の結果、無事類似の商標が見つからなかった場合には出願を薦めましょう。もしも類似の商標が見つかった場合には、商標登録を受けられないだけは無く、このままブランド名を使用し続けた場合に、ここで見つかった他人の商標権を侵害してしまっているかもしれませんので、商標の変更も検討してみてください。
なお、適切な商品や役務(サービス)を選択することや、調査で見つかった先行商標と似ているか似ていないかの判断は、専門家である弁理士に確認をしてもらった方が確実です。漏れがあったり、似ているか似ていないかの判断が誤っていると、結局出願を行っても商標が取れず費用が無駄になってしまうかもしれません。
AI商標出願サービス「すまるか」では、AIとRPAを用いた先行商標調査に加え、専門家弁理士によるしっかりとしたレビューを無料で提供しています。
調査が面倒そうだな、難しそうだな、と思った方は是非無料調査依頼をしてみてください。1週間以内に専門的な調査報告書を受け取ることができます。
願書を作成
商標調査の結果、似た商標が見つからず、無事商標登録できそうだということになった場合には、商標登録出願の願書を作成しましょう。
願書には決まったフォーマットがあります。フォーマットについては独立行政法人工業所有権情報・研修館の知的財産相談・支援ポータルサイトに詳しく掲載されていますので、参考にしてみてください。
願書には、出願手数料分の特許印紙の貼付が必要です。特許印紙は主要な集配郵便局で購入できますので行ってみてください。出願手数料は出願する区分数に応じて変わり、3,400円+(区分の数×8,600円)が必要になります。
特許庁に出願
願書が作成できたら願書を特許庁に郵送しましょう。
郵送先の住所は、〒100-8915 東京都千代田区霞が関3-4-3特許庁長官 になります。
あて名面の余白に「商標登録願在中」と赤字で記載し、郵便局で簡易書留郵便で提出すると良いでしょう。
特許庁に特許庁に直接持参することもできます。この場合、特許庁の1階の「出願課国内出願受付」に持っていきましょう。簡単に書式のチェックをしてもらえますので確実です。なお、特許庁が書類持ち込みによる提出を制限している場合もありますので、特許庁に訪問できるかどうかは事前に特許庁のホームページで確認するようにしてください。
特許庁から審査を受ける
無事出願が受け付けられた場合には、通常出願から約12カ月後に、特許庁審査官により拒絶理由がないかどうかが審査されます。
もしも願書に記載した商品・役務の一覧が、特許庁の指定するリストから選択したものである場合には、ファストトラック審査という優先審査を受けることが可能となり、約6カ月ほど審査を受けることができます。
審査の内容は大まかには以下の通りです。
- 書式の記載が正しいか
- 商品や役務(サービス)の区分や記載が正しいか
- 商標が普通名称や慣用商標、商品等の特徴等をそのまま表しているに過ぎない商標等に該当しないか
- 先行する他人の似た商標が存在しないか
これらの審査内容を満たしておらず拒絶理由があると審査官が判断した場合には、拒絶理由通知が送付されます。一方で拒絶理由が無いと判断した場合には、登録査定が送付されます。
独立行政法人工業所有権情報・研修館
商標登録出願書類の書き方ガイド p.10 より抜粋
拒絶理由を受けた場合には応答をする
もしも拒絶理由通知を受領した場合には、指定された期間内(通常40日以内)に拒絶理由を解消する応答をしなければなりません。
応答をする場合には、拒絶理由に対する反論意見を述べる「意見書」と、必要に応じて指定商品・役務の記載を補正する「手続補正書」を提出します。
拒絶理由通知に対する反論はかなり専門的であり、説得力のある形で拒絶理由を解消する意見を述べて反論することはかなり難易度が高いですので、本人自ら出願を行った場合であっても、拒絶理由通知受領後は、至急弁理士を探して、反論内容について相談する方が良いでしょう。
無事登録査定を受けた場合には登録料を納付する
無事に登録査定を受けられた場合には、商標登録料納付書を作成し、登録料分の特許印紙を貼付して登録料を納付しましょう。
登録料の金額は、
- 5年間保護を受ける分納の場合には、区分数×16,400円
- 10年間保護を受ける場合には、区分数×28,200円
が必要です。
10年一括で納付する方が、5年分納×2回納付するよりも一区分当たり4,600円割安になります。
登録証を受け取る
登録料を納付してから約一月後に、出願名義人として願書に記載した住所宛に商標登録証が郵送されてきます。
登録証は大事に保存するようにしましょう。商標権は事業を守る大切な無形資産ですから、額などに入れて飾っても良いかもしれません。
登録商標については、特許庁のJ-PlatPatで公開されますので、登録番号を入れて検索をしてみてください。これで日本中の人がこのブランド名・商品名・サービス名が登録商標として保護されていることを確認することができるようになります。
なお、以上はご自身で商標登録出願を行う流れについて説明しましたが、比較的時間がかかる上に、拒絶理由通知を受けた場合などには、かなりの専門性が要求されます。
すまるかでは、商標が取れそうかどうかの先行商標調査は無料、その後も出願も調査からの流れでオンラインで簡単に対応できますので、まずはすまるかから無料調査をしてみてください。
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もしも拒絶理由通知が来た場合には、更に反論費用として平均的に20,000~50,000円(税別)程度の費用がかかります。 上で説明しました通り、日本弁理士会の統計によれば、「すまるか」は平均的な特許事務所の費用の約半額以下で権利取得が可能になりますので、是非まずは無料調査を実施してみてください。
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